揮発性

なんにも残らない

第86回・全日本フィギュアスケート選手権大会を見てほしい #おたく楽しい #にわか楽しい

adventar.org この記事は、しき様の企画「#おたく楽しい & #にわか楽しい」に参加させていただいたものです。しき様、ありがとうございました。そして更新が遅くなってしまい申し訳ありません。

 

 

はじめに

 はじめてお目にかかる方も多いと思います。はじめまして、いちえと申します。4年前の全日本をきっかけにフィギュアに興味を持ちはじめ、ソチ五輪でどっぷりハマってしまった人間です。シングル中心に見ているので、この記事もシングルに偏りがちになると思います…ごめんなさい!
 みなさんは、年末と言えば何を思い浮かべますか?コミケ?紅白?カウコン?私にとって年末と言えば「全日本フィギュアスケート選手権大会(以下全日本)」です!今年は12月21日から24日にかけて行われる、名前の通り日本で一番大きな国内試合です。つまり、日本一が決まります。
 今回は、「今年の全日本も熱い試合になること間違いないから見てほしい」「フィギュアスケートを見るのは楽しいよ!」という話ができたらいいなと思います。
 フィギュアスケート観戦と聞いて「ジャンプの種類とかよく分からないし…」「ユーリ!!!onICEは見てたから興味はあるけど…」と思われる方も多いと思います。私もそんなに観戦歴が長いわけではありませんし、全カテゴリ*1の全てのルールを把握しているわけではありません。なので、今回はあまり細かいルールは書かず、主観で「こういう所が楽しいから見てほしい!」というポイントを書いていきます。

 

オリンピック代表が決まるので見てほしい

 さきほど少し触れたとおり、全日本は日本最高峰の国内試合です。それだけではなく、シーズン後半に行われる大きな国際試合*2の代表選考を兼ねていて、さらに今年はピョンチャン五輪の代表選考も含まれます。最近ではスポーツニュースでも「誰が五輪代表になるか」という話題が度々持ち上がります。
 「それで何人オリンピックに出られるの?」という話になりますが、男子シングル3人、女子シングル2人、アイスダンス1組、ペア1組です*3。日本は団体戦にも出場資格があります*4
 「えっ…少なくない?」と思われるかもしれません。少ないです。全然足りない。特に日本の男女シングルは選手層が厚く、正直「いくつ枠があっても足りない」状態。逆に言えば、誰が代表になってもおかしくないくらいの実力者揃いです。

skatingjapan.or.jp

 選考基準ももちろん定められていて、シングルの場合はまず最初に「全日本選手権大会優勝者」が代表に選出されます。言ってしまえば、今シーズンちょっと振るわなかった選手も、全日本で優勝すれば大逆転で代表入りのチャンスがある、ということ。それくらい、全日本は代表選考に関わる大切な試合なのです。

 先日(12月18日)、日本スケート連盟から、羽生結弦選手の全日本欠場の発表がありました。一日も早い回復を祈るばかりです*5。男子は、今シーズン好成績を収めている宇野昌磨選手もこのままいけば代表入りすると思います。残る1枠に誰が選ばれるか注目が集まります。
 女子については……本当に分かりません。グランプリファイナル*6に進出した樋口新葉選手、宮原知子選手が1歩リードしているかな、くらいしか言えないです。女子は比較的ジャンプの構成が似ているので、少しのミスが命取りになりますし、誰かが大爆発すれば優勝する可能性があります。

 よく「4年に1度の」と言いますが、選手たちにとって、その年齢で五輪に出られるのは一生に1度だけです。この熾烈な代表争いを見ていると、つくづくそう思わされますし、この一瞬のように短いキラキラした時間を目に焼き付けておきたいと思ってしまいます。
 誰かが代表入りするということは、誰かが選考から漏れるということ。もういっそ皆に五輪に出てほしい、でもそれは叶わない。スポーツには脚本なんてなくて、誰が勝つかは蓋を開けてみなければ分かりません。

 

全日本を目指す選手たちが全員尊いので見てほしい

www.youtube.com

 「代表選考会としての全日本」についてあれこれ書きましたが、全日本は代表争い・表彰台争いだけがドラマではありません。
 そもそも全日本に出場すること自体、大変なことです。全国各地のブロック大会、東日本・西日本大会で成績を残さなければ、全日本には出場できません*7
 全日本出場を目指す選手が、全国にたくさんいます。練習場所の確保に苦労している選手、大学卒業後もフルタイムで働きながら限られた時間でトレーニングを積んでいる選手、大きな怪我を乗り越えて氷に戻って来てくれた選手……お涙頂戴的な話をしたいわけではありませんが、それぞれが違うものを背負いながらも、ひとりぼっち(あるいはふたりきり)で30×60mの大きな氷に出ていく姿はただただ尊敬しかないです。みんな健康であってほしい。
 ブロック大会はテレビでほとんど放送されません。現地に行けない私にとって、全日本の放送は、いろんな選手の演技が見られる貴重な機会です。「この選手、名前しか知らなかったけど、すごく好きかもしれない…」という出会いや発見が毎年あります。

 私がフィギュアスケートに興味を持ったきっかけも、全日本で初めて見たとある選手でした。
 4年前の全日本、私はたまたまテレビ放送をつけっぱなしにしていました。当時は「テレビでやってたらなんとなく見る」程度だったので、もちろんジャンプの種類など分かりませんし、この試合がソチ五輪の日本代表選考を兼ねていることすら知りませんでした。
 この日の男子ショートプログラムもBGMがわりにしていて、今誰が1位だとか、そういった情報はまったく耳に入っていませんでした。そんな中、最終滑走の選手がリンクに飛び出して行きました。

dai.ly

 佐々木彰生さん*8
 私が説明するより動画を見ていただいた方がよっぽど早いので、まずは見てください。演技そのものは3分もありません。ちょっと変わった和風の衣装、スタートのポーズに、なんとなく意識がテレビ画面に向きました。
 曲は吉田兄弟の「風神」。そこから私は彼から目が離せなくなりました。動く、まあ動く。どこでスクショ撮ってもブレるんじゃないかってくらい動きまくる。滑るというより踊るという表現が合いそうな、祭りで観客を煽るような、手足をめいっぱい動かしたパフォーマンス。最後の腕を見せるようなポーズまで、他の選手と一味もふた味も違いました。私の中にあった「クラシック曲に合わせて跳んだり回ったりするもの」というフィギュアスケートへのイメージが、音を立てて崩れていきました。

「なんて楽しそうに滑るんだろう」
「なんかよく分からないけど、おもしろい」
フィギュアスケートってこんなに自由でいいんだ!」

 どうして自分がこんなにワクワクしているのか分からないまま、翌日のフリースケーティングの録画予約を入れたことを今でも覚えています。
 結果だけ見れば、彼は五輪代表争いに絡めるポジションではなかったと思います。でも、「ソチ五輪フィギュアスケート見てみようかな」と思ったきっかけはあの全日本であり、佐々木さんの演技でした*9
 競技である限り、得点も順位も出ますし、勝ち負けがあります。でも、それとは別に「記録より記憶に残る演技」にたくさん出会えるのが、フィギュアスケートのおもしろさだと思います。
 「衣装がかわいい」「好きな映画のサントラで滑ってる」「キス&クライ*10での表情がいい」「なんかよく分からないけど、好き」etc……些細なきっかけで大丈夫です。見ているうちに、なんらかのかたちで「好き」「お気に入り」「気になる」に出会えると思います。

 

今年はフジテレビが本気っぽいので見てほしい

www.fujitv.co.jp

 なんと今年はフジテレビが本気を出してまして、フジテレビONEとBSフジ、そして地上波で男女シングルショート・フリーを全選手全演技生中継してくれます!!!!!!!!!!!!
欲を言えばあと3年早くやってほしかったわそれ
 そして、私がブログの更新を遅らせている間に滑走順抽選が行われました。こちらもフジテレビのYouTubeチャンネルから生中継され、現在も録画が配信されています。今後もインタビューなどの動画を配信予定とのこと。良い時代だ…。

www.youtube.com

 せっかく男女シングル全ての演技が電波に乗るチャンスなので、きっと気になる選手が見つかるのではないかと思います*11。演技はもちろん、氷から降りた時も選手ひとりひとり個性が強くて、見ていて楽しいです。
 滑走順抽選会で楽しそうに談笑していたり、試合で声援を送ったり、素晴らしい演技に惜しみない拍手を送ったり、選手同士の仲の良さが伝わってくるシーンもよく見られます。
 引退を決めている先輩の最後の全日本を見守る後輩たち、ジュニアの頃から切磋琢磨してきたであろう同学年、シニアデビューが同じ同期、ずっと憧れだった選手と同じ試合に出る緊張、ペア・アイスダンスのパートナーへの信頼感。キス&クライで垣間見える選手とコーチの師弟関係も見ていて面白いですし、胸が熱くなります。そういうのが好きな人、多いのではないでしょうか。私も好きです。
 もちろん試合中はピリッと引き締まった空気が漂いますが、試合が終わればエキシビション*12バンケット*13ではリラックスした顔が見られます。
 私はただのファンなので表面的なことしか分かりませんが、全日本に出るようなトップ選手たちは、小さいころから試合や合宿で何度も顔を合わせているのだと思います。選手同士じゃないと分からないこともたくさんあるだろうし、自分とは住む世界が違うなあ(でもそれがいい)と感じつつ、遠くからこっそり見守っています。そういうのが好きな人、多いですよね。はい、私も大好きです。

 

おわりに

 まだまだ勉強中のことも多いですが、にわかなりに楽しいポイントを書いてみました。
 選手の怪我や引退*14、不調、選手に向けられる心無い言葉etc、しんどいことや辛いこともありますが、フィギュアスケートを見るようになってよかったなと思うこともたくさんあります。海外スケーターの情報が欲しくて英語の記事を読むようになったり、クラシックやオペラ、古い映画をチェックするようになったり*15。なにより、一生懸命努力している人は美しいし、自分も頑張らなくてはと日々励まされます。
 いよいよ明日、ペアのショートプログラムと女子のショートプログラムから、第86回全日本フィギュアスケート選手権が始まります。全選手が怪我なく、実力が出し切れる試合になるよう心から祈っています!



*1:男女シングル、ペア、アイスダンスシンクロナイズドスケーティング

*2:世界フィギュアスケート選手権大会世界ジュニアフィギュアスケート選手権大会、四大陸フィギュアスケート選手権大会

*3:北朝鮮のペアが参加意志を示さなかったため、枠が1つ回ってきました

*4:シンクロは五輪種目になっていません

*5:選考基準には、実績ある選手が怪我や病気で欠場した場合の扱いもきちんと定められています。羽生選手の実績を考慮すると、この項目に十分あてはまるので、おそらく3枠目として代表に選出されるでしょう

*6:グランプリシリーズの成績上位6人だけが出られる試合、天下一武道会みたいなもの

*7:昨年の全日本の上位3名はシードが与えられ、それ以外にも国際試合の派遣スケジュールによって、ブロック大会や東日本・西日本大会が免除されることがあります

*8:現在は引退されています

*9:佐々木さんのプログラムは見ていて楽しいものがたくさんあるので是非検索して見てみてください。振付師の佐藤操先生のプログラムは一度見たら忘れられないものが多いです。

*10:演技後、選手が座って得点発表を待つスペース

*11:欲を言えばペアとアイスダンスも一部地域ではなく全国放送してほしかった…

*12:試合後に行われるアイスショー的なもの。成績優秀者が出演する

*13:試合後に行われる、選手や関係者のパーティー

*14:個人的に推しが全日本で突然引退したので、全日本の後は毎年胸騒ぎがします

*15:ただしものすごく偏りがある